■04
星月学園に転入してから一週間が過ぎた。
クラスメイト達とはそれなりに仲良くなれたし、他のクラスにも何人か友達ができた。 例えば、西洋星占術科所属の金久保誉や白銀桜士郎、それから星詠み科所属で2年生にして生徒会長の不知火一樹。 今日は彼らと一緒に屋上でお弁当を食べている。ちなみに作ったのは誉とアタシだ。 「は部活に入ったりとかしないのか?」 「くひひ、俺のいる新聞部とかお勧めだよ〜!」 誉が作った卵焼を取ろうとすると、一樹と桜士郎にそう訊かれた。 「や、悪いけど入る部活は決めてるんだよね。まだ入部届けは出してないけど。」 そう答えれば、3人共驚いたように目を見開く。一樹なんて箸を落としてしまった。 「で、は何部に入るつもりなのかな?」 「弓道部。実は小学生の頃ずっとやってたんだ。」 誉の質問にそう答えると、彼は嬉しそうに目を輝かせ、同時に桜士郎と一樹は肩を落とした。 「嬉しいな。実は僕も弓道部なんだ。宜しくね。」 成程、同じ部活だから誉は嬉しそうにしているのか。 「他には誰が部員なの? って訊いても知らないかもしれないけど...。」 「他には、一年生の夜久さんに宮地君、犬飼君とかかな?」 彼の口から出てきた言葉に少し驚いた。まさか月子ちゃんや龍も弓道部員だったなんて知らなかった。最も、2人と部活の話なんてしたことないんだけど。 でも、龍に弓道を教えたのはアタシだから、まだ続けていてくれて嬉しいと思う。 「へぇ、月子ちゃんに龍も弓道部なんだ。最後に出てきた犬飼って人は知らないけど...。」 「お前、2人のこと知ってるのか?」 次に質問してきたのは一樹だった。 「うん。月子ちゃんには転入してきた日に校内を案内してもらったの。で、龍はアタシの幼馴染。家が隣同士だったんだ。」 「へぇ、マドンナちゃんに案内して貰ったんだ。」 「と言ってもアタシ極度の方向音痴だから迷惑かけっぱなしだったんだけどね。」 「確かに、移動教室の時もよく迷ってるよな。」 苦笑いしながら呟くと、一樹は豪快に笑う。そこまで笑うことないと思うんだけどな。 「それより、宮地君と幼馴染って言ってたよね?」 「うん。それがどうかした?」 「ううん、何でもない。聞いたことなかったからちょっと驚いただけだよ。」 そう言って誉は笑う。相変わらず何考えてるか読めない人だ。 「それはそうと、、お前何でそんな変な格好してるんだ?」 「ふぇ?」 変な格好、と言われても心当たりがない。 「だから、何で上だけ男子制服のブレザー着てネクタイまで締めてるのかってことだ。」 「あぁ、これ? 悪いけどアタシにもよく分かんない。手続きとか制服の用意とか、全部兄がやってくれたから。」 「お兄さんが?」 「って言うか、兄弟いたんだ〜。」 「うん、歳は結構離れてるけどね。後1つ年下の妹もいるよ!」 「てか、お前の兄貴が手続きしたってのは...。」 「だから、転校の手続きとかのこと。引越しの手伝いもしてくれたし。ただ、手続きに手間取っちゃって、その所為で転入が5月まで延びちゃったんだよね。でも、絶対に日本に来たかったから、1ヶ月くらいは気にならなかったけど。」 アメリカから日本へ引っ越す手続きなんて相当面倒だっただろうし。兄が手伝ってくれなかったら日本へ戻ってくることは諦めていただろう。元々、自分で決めたこととはいえ嫌々準備してたのだから。 「そういえば、はアメリカに住んでたんだよねぇ? なんでまた日本に戻ってこようと思ったのさ?」 「んー、何でだろ? まぁ、死に場所を求めて、ってとこかな?」 「えっ...」 「はぁ?」 「なっ!?」 おどけた口調でそう言ってみるけど、3人共絶句して固まってしまった。 「や、やだなぁ、冗談に決まってるじゃない。」 「だ、だよなぁ。」 「もう、驚かせないでよねぇ...。」 「、冗談でもそんなこと言っちゃ駄目だよ!」 本当は冗談ではなくてそれも理由の1つなんだけど、あえてそう言い直す必要はないと思った。これ以上雰囲気悪くしたくないしね。 「てかさ、そろそろお弁当食べよ? 3人共質問ばっかりして全然食べてないじゃない。」 「そうだね、もうすぐお昼休み終わっちゃうし。早く食べようか。」 「そうだな。」 結局、さっきの話はスルーしてお昼ご飯を食べることにする。相変わらずお喋りは止まらないけれど、これはこれで楽しいからまぁいいか、と思ってる自分がいた。
(楽しい時間がいつまでも続くとは限らないけど、今はこの時に身を委ねていたいんだ。)
*―*―*―*―* *―*―*―*―* *―*―*―*―* 第4話は同級生達と絡ませてみましたー。 桜士郎あんまり喋ってないですね...。 まぁ冬組は未プレイだから仕方ない← てか桜士郎の口調よく分かってないのに書いた自分乙 関係ないですがPSP版冬で桜士郎は攻略できるんでしょうか? 切実に桜士郎ルートがあることを希望してまs((殴 ちなみに、最後の方の死に場所がどうだのこうだのって話は例のヤツです。 ホント伏線張りすぎですね;; 全部消化しきれるのかしら?← まぁ話の展開はある程度決まってるんですけどね。 |