■PROLOGUE-01

ポケットの中の携帯電話が鳴ったのは、夜10時を過ぎた頃。滅多にならないその着信音は、メールではなく電話がかかってきた事を示している。
ポケットから携帯を抜き出し、ディスプレイに映しだされた名前を確認してから電話に出る。そこに映しだされていたその名は"金久保環"―――――かつてのクラスメイトで、現在では仕事仲間である少女の名―――――だった。
「久しぶりね、環。こんな時間に掛けてくるなんて、また仕事の話かしら?」
『相変わらず察しが良いのね。そう、に、達"Arcana"に協力してほしい事があるのよ。』
環とアタシは、少し前に一緒に仕事をした事がある。けれど、Arcana全員で彼女の手伝いをするのは初めてだ。
最も、Arcanaはアタシが立ち上げた最近立ち上げた組織と言う事もあり、メンバーは全員そろっても3人しかいないのだが。
「分かったわ。他でもない環からの依頼だもの。全力を尽くすわ。
...あ、仕事の時は環じゃなくてAltairだったかしら?」
『そうね。そう言う貴女もじゃなくてEmperorだったわね。まぁ、協力してくれるのなら何でも良いのだけれど。
詳しい仕事の説明は実際に会ってするわ。今回は私1人じゃなくて、私が所属しているFMSのサポートをしてもらいたいから、こちらのメンバーも紹介しなければならないし。明日の午後7時に、いつもの場所に来れるかしら?』
「大丈夫よ。じゃあ、また明日ね。」
電話を切り、座っていた椅子から腰を上げ部屋を出る。向かうのは隣の―――――仲間の2人が仕事をしているであろう―――――部屋だ。
「涼、奏羽、仕事よ!」
扉を開け放ち声をかける。中にいた2人は揃って顔を上げる―――――これもいつもの反応だ。
「こんな時間に珍しいわね。もしかして、またあの子からかしら?」
そう言うのは、奥で書類整理をしていた涼の方。彼女も環と面識があるので、依頼人が誰なのか気付いたのだろう。
「仕事? ...私、も?」
続いて、パソコンを使って作業していた奏羽が呟くように言う。
「そうよ。アタシ達3人総がかりで、ね。環―――――Altair達FMSの協力をすることになったわ。詳しい説明は明日、依頼主達がしてくれる事になってる。午後7時に待ち合わせてるから、明日は6時半までに帰って来て頂戴。それと、今溜まってる仕事は明日までに片付けておくこと。」
「分かったわ。」
「了解、です。」
簡単な経緯だけ説明すれば、2人は笑顔で頷いた。
「じゃ、アタシこれから仕事片付けて来るから。また明日迎えに来るわ。」
最後に一言言い残してから、元いた部屋―――――アタシの自室である―――――へと戻った。


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Zodiac SignsのドラマCDが出ると聞いてはじめてしまいましたww
ちなみに年齢設定は面倒なので通常と同じです。
ZSは前からやってみたかったネタだったんですよ。
今回オリキャラが2名程出てます。ちょこちょこ話に関わってきますが、詳しい設定は本編中でまた明かしていきたいと思います。
プロローグ長くなっちゃったんで二つに分けました。でもこれだとちょっと短いかな?
後編も下書き済んでるので、すぐにup出来ると思います。
ちなみに、現時点ではZodiacは結成されてないです。Zodiacが結成されるのは本編が始まってからなので。
ということで本家がどうなのかは知りませんが、この話ではFMSのが先に結成されたことになってます。